木製建具
原初の役割へ
「障子と真庭組子」
組子が生まれた時代の組子には、
仕切りである建具から、光と風を取り込むという、
実に合理的な性格を持ったものでした。
しかし、
組子の間から漏れてくる、刻々と変化する光の美しさたるや。
組子は合理的な目的で作られながら、
光と時間という、とらえどころのない自然現象そのものを、
一つの芸術作品に昇華してしまったのです。
まるで現代美術のコンセプトさながら。
このことは古代から育まれてきた日本人の美意識に
決定的な影響を、現在に至るまで与えています。
日本人の明暗度に対する鋭い感性は、
光と影の美しさに魅入られた先人たちから受け継いだ、
唯一無二の遺産なのです。
世界に類を見ない、
日常の光と時間の流れを、
芸術作品にしてしまう障子と組子。
日本にはそれを創れる木がある。
それを創れる紙がある。
それを創れる技術がある。
私たちは世界中がうらやむ宝を手にしているのです。
組子を原初の役割に戻してあげる。
つまり、日常生活で触れる物の一つとして、
現代に合った、清楚で優雅な建具のある生活が、
私たちの心を豊かにしてくれるという実感を、
私たち佐田建美は世界に広めていきたいのです。
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